CSLフォトコンテストのすゝめ

CSL

貴方もフォトコンに参加できる。

2021年ももう年末ですね。

ということは、まもなくCSLフォトコンテストが開催されます。

CSLフォトコンテストをご存じない方に簡単に説明すると、私がコラム記事を寄稿させていただくこともあるCSLビルダーズコンテスト様が主催し、例年1月,5月,9月に開催されるフォトコンテストです。

今回で第6回を数える本コンテストですが、「今までやったことがないから」「聞いたことはあるけど参加する勇気はないなぁ…。」と今まで不参加だった方もいるのではないでしょうか。

本記事では、大きく二つの内容で進行します。

一つはどのように参加すればよいのか、もう一つが、投稿する作品の傾向と対策(の筆者の持論)を第1回コンテストから毎回参加している筆者が述べていきます。

この記事を読めば、あなたも参加する勇気が、あなたがコンテストの賞を獲得するまでの近道が、あなたが投稿する作品の外形が見えてくるかもしれません。

種別参加方法ガイダンス

工程は以下の通りです。

  1. テーマに沿った街・町並みを作る
  2. テーマに沿った風景を撮影する
  3. 作品をエントリーする

本コンテストはフォトコンテストですから、撮った写真一枚をもって参加します。

フォトコンテスト毎に示されるテーマに沿うような写真を撮影してください。

既存の街でもいいですし、新しく街を作っても構いません。

テーマに沿った街・町並みを作る

既存の街を撮影する場合

あなたが制作された街の風景を1枚に切り取ってください。あなたのテーマの解釈と合う町並みが見つかれば、以下に示すように新しく街を作成する必要はありません。その分、下に紹介するものと比べて最も時間を掛けずに参加できる方法ですし、自分の街を自慢する格好の機会でしょう。初心者の方や時間の無い方におススメさせてください。

とはいえ「自分の作った街の中からそんな都合のいい場所あるかな?」と思われる方、いらっしゃるのではないでしょうか。1つ、そのためのヒントを授けます。それは、無理にテーマに合わせに行く必要はない、ということです。もちろん違いすぎることは確かに良くないですが、それが結果的にテーマに行きつく可能性さえあればよいのです。第1回大会のテーマは水でしたが、参加者のコンセプトは「○○と水」といった作品が多く、水と合わせる対象の例としては、花火、ダム、BBQ、灯台、南国、鉄道、港、船、キャンプ、お城、ジャンクション、駅、温泉、温泉街、近代都市など、もうなんでもありです。最終的に大事なことは「自分が撮影した写真とテーマが合っていると感じているか」「その感覚を審査員と共有できるか」この2つに尽きます。都合のいい場所は作った街の、自分がいいなと思う場所をたくさんスクリーンショットしていれば自然と出てくるような気がするのですが、どうでしょうか。

 新しく街を作成する場合(パターンA:フルスクラッチ)

既存の街を撮影することとは対照的に、街の風景をすべてテーマに沿って作り込んでしまうことも可能だと思います。この場合、あなたの妄想のままに風景をまるで舞台セットのように組み立てることが可能で、ファンタジーもの、劇画ものに強い構成ですが、作品の立体感を出すためには多くの工数が必要で、アングルを決定しないと期限内の完成がどんどん厳しくなっていきます。そもそも自分の妄想を実現できる技術を持っているかという段階で障壁が大きい(実体験)。その結果、アングルの自由度は皆無になり、後から変更できなくなってしまうことは多いです。シティーズのプロフェッショナルか余程の暇人の方はやってみてください。

 新しく街を作成する場合(パターンB:増設)

フルスクラッチと既存の街を撮影する折衷案で、遠景など、手間と工数の割に作品に影響を与えにくい場所だけ既存の街を使い、かつ、近景などはテーマに合わせて新規作成することでディテールを向上する方法です。手間と工数という意味では負担が軽減され、作品の効果的なディテールアップが期待されますが、アングルも街の世界観も固定されてしまい、作品のテーマは既存の街のテーマに依存してしまいます。ただし、自分の作りたいテーマに合う街を今までに作ったことがあるかによって写真撮影までの労力が大きく変化します。玄人市長は有利だと思うのでこのアドバンテージをどんどん押し付けていきましょう。

テーマに沿った風景を撮影する

自分がテーマに沿えていると思って制作した風景でも、果たして作品を見てくださる審査員の皆様、それから視聴者の皆様にそのイメージを正しく作品に乗せて伝えられているでしょうか。

本コンテストの審査形式は審査員票・Google Formを通した閲覧者票・最終審査に参加する一般の視聴者票の3種類によって審査されます。そして第一段階ではGoogle Formを通した閲覧者票が100%入賞の可否を左右しています。これら一般審査員の心をつかまねば、優勝はもちろん入賞すら厳しいでしょう。

その作品がテーマの内容を伝えるうえで必要な情報・視覚効果を持っているのか、確認してみましょう。一例を示しておきます。

あなたの得意な被写体で

これは経験談ですが、あなたが思う王道の被写体、構図を描いてみてください。人の作品をパクリでもしない限りには、被写体が同じであっても構図やそれそのものの切り取り方は人それぞれであるはずなので完全に被るってことはまずないでしょう。ですから、被写体被りなんてものは気にしないほうがいいです。逆に、被らなさそうな被写体、奇をてらった被写体を攻めてみることは愚策です。愚策でした(経験談)。余程の玄人でなければそれはやってはいけません。被らなそうな被写体はたいてい、あなたが持っている被写体への情報・イメージの解像度が低く、これが少なくとも作品に露呈し、審査員に悪い印象を与えるからです。結果としてテーマを描けていると審査員の皆さんに判定されないのは実に惜しいと思います。上にも下にも同じことを書きますが、最終的にあなたの作品を品評するのはあなたではありません。あなたの得意な被写体で戦ってください。

被写体の位置・構図

テーマのメインを張るオブジェクトが作品のどの位置にあるかは極めて重要です。被写体が作品のど真ん中になるように置くと、自然とそれに注目が集まります。これを視線誘導といいますが、これ以外にも様々な被写体の構成の仕方がありますので、まぁその辺はドローイングとかカメラ撮影とかその辺に丸投げします。

ライティング

順光・逆光・斜光・半逆光など…被写体に対する光の当て方はもちろん重要です。それぞれに起きる効果もそれなりにエモを生む要因になるので、考えてみてもいいかもしれません。

カラーリング(PC版)

PC版では、LUTの変更が簡単にできるだけでなく、マップテーマの変更や解像度などをMODを通して簡単に変更できるかと思います。これは師匠もおっしゃっていたことですが、暗い写真は大衆に好まれにくい傾向があります。

ボケ(PC版)

ボケ、つまりは被写体深度を触ることで、フォーカスする被写体により強い印象を与えることができます。また、カメラにはボケが乗るものですから、いかにも、カメラで撮りましたが?感を演出してくれています。

作品をエントリーする

撮影した写真が正しいフォーマットか確認する

エントリーで提出したい作品がどれだけ優秀なものであっても、そもそも要求する作品のレギュレーションを満たしていないと、その時点ではねられる、公平に審査してもらえないことになってしまいますね。それでは虚しかろうと思いますので、(公式発表はまだなので)前回大会のレギュレーションを簡潔にまとめておきます。

  • SNS投稿などのない、未発表の画像であること
  • 解像度は4096px × 4096px以下であること(4Kも行けます)。
  • 拡張子は「.jpg」または「.png」であること。
  • Cities.exeとそのプラグイン(アセット・MOD・DLC・CCP)の範囲内で撮影し、後から編集するのは禁止で、例外としてリサイズのみ後編集が可能であること

作品の解説文を書く

エントリーしたい作品に200字まで文字を添えることができます。短く感想を書く人、ポエムを書く人、字数ギリギリまで思いを書く人など、エントリーされた参加者皆様のさまざまな思いの乗った文字が添えてあります。ポエマーの方は作品が完成する前に文がかけるかもしれません。早めに書いておいて損はないでしょう。(前回コンテストは全角200字でしたが)大会の示す字数制限に則って、コメントを残しましょう。

期限内に作品をエントリーする

応募締切は2022年の1月10日なので、期限に間に合うようにマップ制作・エントリーを行ってください。

参加者の「型」から傾向と対策を見切る

視聴者・閲覧者・審査員の好みはそれぞれ違う

一次審査ではGoogle Formを閲覧した方が、最終審査では審査ライブの視聴者と審査員が、特別賞では審査員からの評価がよいものであることが、賞を取りに行く上では必要になってきます。しかしそれぞれの重視するもの、好みは全く違うものだと筆者は考えています。作品がどの層にリーチしているのかを考えることも作品構成において大事な要素かと思います。

参加者の傾向を読み解く

参加者がどのような作品を投稿するか、過去の作品から傾向を見ることも大切でしょう。前回大会の作品は構図に凝った作品が多かったです。後述する審査員バイコク氏の講評を支持しますが、作品の核となる被写体は違うものの、シンプルに、情報量を少なくして第一印象でバチーンと決めきる作品が多かったように思います。前回コンテストだけで見ると、細部に凝った作品よりそれが優先された訳ですが、逆に前回コンテスト(第5回)以前までのコンテストでは逆にこれが重視されていたわけですから、筆者みたいな人は予想に反して度肝抜かされた訳です(経験談)。他の参加者さんの傾向を読むことも大事かと思います。

前回コンテストに参加した感想を投稿していますので、こちらもどうぞ。今まで私は過去全てコンテストに提出した作品はフルスクラッチして制作しています。

審査員の皆様の講評から学ぶ

CSLフォトコンテストが終わったら、CSLフォトコンテスト運営のCSLビルダーズコンテストのコラムとして、このような審査員の皆様からのコンテストの総評をいただくことができます。

第5回(前回コンテスト)のコラムを読んでみてください。

審査員振り返り フォトコン#5 | Cities:Skylines 街づくりコンテスト

以下一部引用します。

神乃木氏(PC)

(前略)今回も非常に素晴らしい作品の数々が出揃っていましたし、何より審査員特別賞を選出できたのが嬉しかったですね。意欲的・前衛的な作品が今後も評価される制度を今後も続けていきたいと思っています。

他方で今回特に目立ったのがしろたんの濫用ですかね。自分でアセットを作っておいて言うのも何ですが、本コンテストはしろたんコンテストではないですし、作品上の意味を持たないのであれば無理に濫用したり「ウォーリーをさがせ」のように忍ばせたりするのはあまり得策ではないように感じました(私個人の審査票では、そういった作品は減点して審査しておりました)。

キャラの力ではなく、純粋に自分の構成力でもって勝負していただきたいところです。

ピーポー氏(コンソール)

(前略)一方で、自然の「美しさ」に注視し、月や太陽をモチーフにした作品が多く、どれも似たような作品になってしまっているのが勿体ないなと感じました(決してそれらをモチーフにすること自体が悪いわけではありません)。例えば、月や太陽自体を見せずに、その光だけを画に入れることによって、暗にその存在を示したり、あるいは雨をモチーフにして、普段は歓迎されることのない雨にだって、良いところがあるということを表現したりと、描写の仕方はもっと色々あったのではないかと思いました。(略)

先ほどと全然違うこと言って申し訳ないんですが、今ある街からテーマにあった風景を見つけて撮影するという試みがあってもいいんじゃないかと思いました。回を重ねるにつれて、テーマに合わせた風景をイチから創り出す方が増え、現在はほとんどの方がそのようなスタイルで作られていると思います。もちろん、そのお陰で毎度驚かされるような、独創性あふれる作品を観ることができているのは事実ですが、あれだけの作品を生み出せる方なら、きっと普段の街にもテーマにあった風景が転がっていると思うのです。(以下略)

バイコク氏(コンソール)

(前略)構図の凝った作品が多いなと思いました。
少し前だと造り込みに徹した作品が多くて、細部まで造り込むことが良い意味で腕の見せ所という印象でしたが、今回はシンプルでありながらも綺麗な構図で勝負している作品が目立っていたかと思います。(以下略)

特に前回大会は神乃木氏の指摘の通り、CSLフォトコンテストは「しろたんコンテスト」と化していました。CSLフォトコンテストの最終審査は、審査委員長である神乃木氏のチャンネルで行われています。神乃木氏のチャンネルでは毎週日曜に定期ライブ(Cities街開発)を行っており、開発では神乃木氏がエイプリルフールにSteamでリリースしたジョークアセット「しろたん」が登場するのが配信の恒例となっています。最終審査に参加するユーザーの一部は神乃木氏の定期配信を見ていますから、メタファーとしての表現、一般投票をしてくれる視聴者の一部の心をくすぐる内容であることは間違いありません。筆者も普段から神乃木氏の配信を見ているので笑いました。しかし当然ながら、CSLフォトコンテストにエントリーする参加者・閲覧者・視聴者・審査員がみな神乃木氏の配信を見ている訳はありません。神乃木氏がそれに評価を与えることは贔屓、ひいてはコンテストの公平性を欠くことになるだけでなく、コンテストが閉鎖的になることも免れないでしょう。作品が他の作品より優位に立てる要素を持っていたとしても、その要素がどのような影響を与えるのかも十分把握できているといいですね。

例に挙げたしろたんは露骨にそうですが、講評には少なからず審査員さんが欲しいタイプ・欲しくないタイプの作品のヒントが紛れていますから、審査員賞などを意識したい方は注目してみましょう。

終わりに

いかがだったでしょうか。筆者も、CSLフォトコンテストはどんどん初心者に参加してほしいと思っています。これを機にあなたが参加する気になってくれるだけで筆者、とても嬉しいです。

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