えっ、みんなの作品、エモすぎ…。
あえて前回第5回フォトコンテストと同じ見出しをつかってみましたが、まず一言言わせてほしい。
今回の投稿作品は余りにもひどかった。これは本当に駄作。
前回たまたま上手くいっただけで、所詮僕は駄作製造機ですわぁ…。
であれば作品投稿をしない選択肢もあったかと思いますが、それでも私は投稿することにしました。
そこに至る経緯などを時系列を追って紹介し、皆様の作品作りの参考になればな、と思います。
おぼろげながら浮かんできたんです、1人のおじさんが。
今から3か月ほど前、10月2日に、第5回CSLフォトコンテストが開催され、大会の最後に、今回のテーマ「夏/冬」が告知されました。
これも前回同様、即座にイメージが膨らみ始め、コンテストが終わるころには、この構図だな、というのが出来上がっていました。
一人のおじさんが、家で暖を取りながら、飲み物を飲んでいる様子が。
結論から言えば、確かにこの作品は過去最大級の大きな失敗作でした。
しかし、従来の失敗にあるような、単に作品のディテール不足だった訳ではありませんでした。
ゴルフ場とか、空港とか、行き慣れない場所でもなければ、高層マンションとか世界樹とかのように、単純なディテール不足でもなく、ね。
暖炉の温かさ、布感の温かさ、もし外を描写する機会があれば雪だるまなどを置いたり、屋内は家族写真らしきものを忍ばせて、家族の温かさも表現してしまおう、そういう「冬の温かさ」をテーマに作品作りを始めました。
ただ、制作当初、外の描写をする気はほとんどありませんでした。
前回からの成果を生かして
前回得た成果から、作品作りにはある程度自信が湧いていました。
モチベーションはあるだけお得ですから、別に悪いことではないですしね。
前回コラムにも書きました、「『テーマにフォーカスする』重要性」についてしっかりと考えることが自然にできていた点、私は前回からさらに進歩できたのかな、と思っています。
作品制作を始めた段階で「僕が目指すべきは『冬の温かさ』だ!」と既に言えてるのがとてもよかった。
ようやく私の健全なマップ制作が始まったな、と感じた瞬間でした。
前回の反省を生かして
総制作時間が少なくなるように設計していたのに…?
前回の制作は、とてもゆとりある時間設計でした。
とはいえ、プレイ時間そのものも、予定時間が長めに予定していただけの所業でした。
かかった時間の予測そのものがあまりうまくいかなかったとも捉えることができます。
そのため、そもそもの制作にかかる時間を減らしたいと考えていました。
その取り組みとして、室内の描写を細かく、遠景となる外の風景をほとんど描かないことで、作画(作り込み)の軽減になると考えたのです。
そこで作品全体を逆光にすることで、他の部分を暗所にすることを考え出しました。
しかし、神乃木審査委員長のコラムでも「逆光はご法度」とされており、これは推奨できる表現方法ではありません。
ところがこれを逆手に取ることができると考えました。
暖炉の火を際立たせれば、審査員の皆様の被写体への関心をさらに引き、あるいは暖炉の背景にも注目していただける表現になるのではないか、そのように考えました。
表現の斬新さもあって、興味を引けるような作品にはなるかなと思い、果敢に挑むことにしました。
手法が使えるかもちゃんと確認してる…が?
手法としては、MOD「Sun Shaft」を利用する方法を検討しました。
コップの上で波に乗る彼…というかおじさんの姿をおぼろげに感じることができました。
男の人、サーフボード、波、マグカップと、既存のアセットを組み合わせ、これを表現しました。
そして被写体が完成した段階で、Sun Shaftをつけて試しにライティングをしてみました。
ええやん。
元々サーフボードには柄がきつい色合いでしたし、彼も服を着ていました。
ですので被写体そのものの色、細やかなディテールは見せたくありませんでした。
そこでも、逆光が役立ちました。逆光の何が素晴らしかったかと言えば、
POでそれぞれを真っ黒にしても「いやこれ逆光だから」と言い訳ができる点です。
波に関しては光の反射値が高く、少し白さが残ってしまっていますが、その辺は後からどうにかなる、もしくはアセットを制作してスペキュラーの低いモデルを作ってしまおうかとも思いました。
想定段階ではその位の時間的余裕もあったということです。
レイヤー設計も完璧に見えた…が?
コップの上で波に乗るおっさん…。
今考えても、非常にファンタジーな世界観でした。
これがファンタジーとして成り立つためには、これを逆光で表現してやるほかありませんでした。
そのうえで、私が逆光を表現する手法はSun Shaft、これ一つしか知りません。
そして逆光特有の光陰を生み出すSun Shaftは、名前の通り太陽のみの光陰であること、つまり他の光源には適用されないことを私はよく知っていました。
そこで、暖炉の炎の光を補助する形で、裏からSun Shaftの日の光を差し込むことで、逆光を実現しつつも世界観をしっかりと残すことを目指しました。
毎度のことながら、それぞれをレイヤーとして設計しました。
暖炉の壁に小さな穴をあけ、一部だけ太陽の光陰を取り込もうという目論見でした。
次回に生かすべき反省
想定を超える、時間的余裕のひっ迫
先述の通り、作業内容が(第5回と比較して)簡素であるように構成をしたことから、開発そのものは3日もあれば十二分な余裕があるものだと考えました。
そのうえで、前々回の教訓と、前回の成果があります。
時間にゆとりを持つこと、これがとても大切だと学びました。
前回は想定の二倍程度にあたる期間を作業予定時間としました。
今回もこれに倣い、エントリー期限の1週間ほど前から、余裕を持って制作を開始しました。
当初の想定通りであれば、一週間もあれば十分に完成に漕ぎ着けたはずだったのです。
しかし、時は年末、予想だにしていない出来事が起こります。
「Prop Anarchy」「Extended Managers Library」という二つのMODによって、プロップの配置がめちゃくちゃになってしまいました。
制作ではPOを多用していたため、この影響はほぼありませんでした。
しかし、当時裏で開発を行っていたマップ、特にその直前に移行を行ったばかりのTakahamaについては大打撃を受けてしまいました。
また、私の環境に限ってだとは思いますが、MOD「FPS Booster」が致命的なエラーを吐くようになり、これの対処にも多くの時間を割かれてしまいました。
これらMODの不具合により、予定が4日ほど割かれてしまいました。
これについて思う失敗したポイントとして
前者の不具合については、対応は作品作りの後に回しても良かったのではないか、という点が一つ。
そしてもう一つの点が、MODの対応にほとんどの時間的余裕が吸われてしまったことです。
もちろん、時間的余裕を設けなければ制作のほとんどができなかったことを考えると、身の毛がよだちますが、その後の対応のまずさも祟っての結果だったのかなと思います。
致命的な仕様の見逃し
作成の際にはSun Shaftは無効にして制作を行いました。
制作の途中ではSun Shaftの光陰は逆に制作の邪魔になってしまいますから。
予想通りおよそ3日ほどかけて構図を完成させまして。
ヨシ!完成したな!
と確信したので、ここらで作品の根幹をなすライティングを取り入れてみたのです。
…光陰の範囲、小さすぎね?
光陰…見え無くね??
…これは、単純にSun Shaftの仕様をしっかりと理解していなかったことが大きいです。
Sun Shaftの出す太陽の光陰の発生の仕方を間違えて把握してしまっていたのです。
✕ 光陰はオブジェクトの面が無ければ遮られない
〇 光陰はオブジェクトすべてに対して遮られる
私の把握では、光陰を遮るのはオブジェクトの面で、面を取っ払うことで、カメラまで光陰を届けることができるのだ、というものでした。
しかし実際には、光陰はオブジェクトすべてに対して遮られてしまいます。
よって、内壁のレイヤーの裏に太陽を置くことは、計画段階で無理なレイヤー配置だったと言えます。
そして見出しにもあるように、私はこれを制作を終えるまで気付くことができませんでした。
これに気が付いたとき、私に残されたタイムリミットは10分を切っていました。
妥当に諦められなかったこと
作品の根幹をなすテックが実は破綻していたということに気が付いた私は、様々な葛藤の後、結果的にこの作品をそのままエントリーすることになります。
この作品を投稿しようとした理由は以下の3点があげられます。
まず一つは、マップをないがしろにしたくなかったからです。
制作にささげた労力、時間、そして制作のために作られたマップが失われることが怖かったのです。
作品としては駄作であったとしても、ちゃんと作り込んだマップをないがしろにすることは、私にはできませんでした。
二つには、参加する約束を果たしたかったからです。
私は以前よりこのコンテストに参加させていただいており、今回も参加を決めていましたし、Twitterなどローカルにおいては参加を宣言していたかもしれません。
前回作のtweetにおいては「次回も入賞する(「一次審査通過する」の言い間違い)」と宣言しましたからね。
一次審査はおろかエントリーすらしないというのはいかがなものかと思ったのです。
もちろん願わくば、入賞を実現したいという欲望もあったと思います。
最後に、コンテストの参加作品数の足しになれば、と思ったからです。
年末年始に起きたMODの件は、大きく界隈を賑わせることとなりました。
年始においては、神乃木審査委員長も修正配信を行うなど、Propが物理的に賑わうことになりました。
それによって、既にProp Anarchyベースで作成をしていた参加者候補さん、既に移行を済ませていた参加者候補さんが、実は参加を諦めたのではないか。
この結果、今回コンテストの参加作品は大きく減るのではないか、と考えました。
そうなれば、このような駄作であったとしても、エントリーすることでコンテストに貢献できるのではないかと考えました。
そしてコンテストの一次審査で自分の作品が落とされればよい、そのように考えました。
これが後押しとなって、私はこのまま作品を投稿することに決めました。
しかし前回の記事「【Blog】CSLフォトコンにエントリーしました。」にも書きましたが、そのようにはならず、私の作品は何故か一次審査を通過し、最終審査に進出してしまいました。
これはPC版カテゴリの参加者数が、最終審査進出数を割り込んでしまったからです。
つまり、フォトコンテスト参加者の減少は、私の想定よりもはるかに多かったということです。
本当に、お目汚し失礼いたしました。
間違いに気が付いた段階で、参加を諦めきれなかった私が悪うございました。
かつてあれほど望んだはずの参加賞が、予期しない形で拍子抜けに得られてしまったことに、私は袖を濡らしております。
参加賞を取ってしまって、大変申し訳ございませんでした。
終わりに
ここで得た結論はたった一つです。
「期日ギリギリに作業しない」
これは第4回のCSLフォトコンテストでも得た教訓でした。
多少は進歩してましたが、結局私は、以前得た教訓を生かすことができませんでした。
自分はあまり、人間的に優れていません。
実生活でも、人として重要な部分をすっぽかしてるっぽいので。
自分自身の人間的な成長が求められる、そう感じたコンテストでした。
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